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NEW暮らしっくガイド イシカワスタイルズ 【石川発、新しくて懐かしいライフスタイルの提案。】
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水野雅男さん

* 社会を変えるまちづくり
* 水野さんが手がけた大野のまちづくり
* 対談:水野氏×直江氏
* 大野で活躍する街の人たちの声
* 鳳至上町のまちづくり
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水野雅男さんを楽しむ
大野まち歩きMAP
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住民を"その気"にさせるまちづくり

くらしのスタイル
歴史とアートが溶け合う街
*水野さんがコーディネーターを務めたまちづくり事業のひとつに、金沢市大野町で、遊休化していた醤油蔵をサロンやギャラリーとして再生利用した「金沢大野くらくらアートプロジェクト」があります。

蔵の魅力を呼び覚ます

「初めて大野の街を歩いたとき、歴史的な街の資産がとても多い地域だと感じました。大野は北前船の寄港地として栄えた醤油の産地です。昔はもろみをそれぞれの店で作っていましたが、今は組合が一括して製造しているため、街の中にかつてはもろみを作っていた蔵が何十棟も遊んでいます。通りには醤油の香ばしい香りがほのかに漂い、車もほとんど通らない。ここだけ時間がゆっくりと流れているような、不思議な感覚を覚えました」

「私が大野のまちづくりに関わることになったのは、大野町商工振興会の勉強会で、講師を務めたことがきっかけです。振興会の方と一緒に視察旅行に行き、ゆっくり話をしてみると、自分たちの街の魅力をよく知っていたし、まちづくりのために労力もお金も惜しまない勢いがありました。『これならいける!』と感じましたね」

「最初の取り組みである「もろみ蔵」の改装工事は、わずか8カ月間で完成。住民が自分たちの手でレンガを敷いたまさに手作りのまちづくりです。街の中で長い間眠っていた蔵が、住民たちの手で、魅力的な空間に蘇ったのです」

「当初は地元住民が集うサロンのような空間を想定していましたが、街の新たな名産品『しょうゆソフトクリーム』が人気を集めたこともあり、県内外で予想以上の反響を呼びました。マスコミにもたびたび取り上げられ、いまでは観光客も立ち寄る金沢の隠れた名所として定着しています」

「私はまちづくりが、自分の街をしっかりと見つめ、魅力を再確認することから始まるものだと思っています。その土地だからこそ、できることがある。大野はそこがしっかりしていたから、成功したのではないでしょうか」

イメージ:大野の街
大野の街には、かつてもろみを作っていた蔵が数多く建ち並んでいる。

イメージ:もろみ蔵
遊休蔵から交流サロンに蘇った「もろみ蔵」。真っ白な壁に映える柱や梁の重量感が、歴史の重みを感じさせる。

イメージ:もろみ蔵のインテリア
「もろみ蔵」のイスやテーブルには、醤油作りに使われる大小の樽や桶が利用されている。

新たな挑戦、アートとの融合

「もろみ蔵に続く次の展開を考えていたとき、ある彫刻家の方との出会いがあり、『蔵でアートを展開したら、おもしろいかもしれない』という話になったんです。そこで、2軒目の蔵を改修する際、金沢美大を卒業し現代アートをやっている3人がアトリエを探して金沢じゅうをまわっている時、偶然大野に辿り着きました」

「実際に蔵にオブジェを置いてみると、白い壁や重厚な柱とのコントラストが実に新鮮でした。その蔵がアトリエ・ギャラリー『oxydol』としてオープンしたのを皮切りに、アトリエ・ギャラリー『ハマヨスタジオ』、『海辺のアトリエ』も相次いで開設することができました。蔵とアートの結びつきがこの街に、すっかり定着したのです」

「古い蔵に古い物を展示したのでは"当たり前"になってしまいます。あえてそこに対照的な現代アートを置いたことで、それぞれの個性がぶつかり合い、引き立て合う面白い空間が生まれたのではないでしょうか」

イメージ:oxydol 内観
古い蔵と現代アートが不思議な空間をつくり出すギャラリー「oxydol」。

イメージ:海辺のアトリエ
「海辺のアトリエ」は、若いアーティストの創作活動の場、さつま芋の貯蔵空間が生まれ変わった。

みんなの共有財産を作る喜び

「この事業が始まってから、10年の月日が経ちます。蔵の改修がもろみ蔵だけで終わらずに5軒6軒と続いたことで、訪れた人が街中の回遊を楽しめるようになりました」

「大野のまちづくりがここまで発展した理由は、住民たちが行政の力だけに頼らず、自分たちの力で物事を進めているからだと思います。行政主導のまちづくりではなく、そこに住む人たちが生活環境の変化を楽しんでいるからこそ、続いているのです」

「この10年間で大野には、改装した蔵やたくさんのアート、ここで育ったアーティストなど、数多くの新しい財産が生まれました。私はこれを、みんなで作った共有の財産という意味で『倶楽部財』と呼んでいます。自分たちの流した汗が形になり、街に人を呼ぶ。結果が目に見えたときの喜びが、次の取り組みへの原動力になっているのです」

「机上の議論や行政への要望だけでは、何も始まりません。街に出て、自分たちの出来ることからやってみる。それが何より大切なことだと思います」

イメージ:もろみ蔵改装の様子
もろみ蔵の改装では住民やボランティアら約40人が参加して、床一面にレンガを敷いた。

イメージ:改装直後のもろみ蔵
改装直後のもろみ蔵。計画からわずか8カ月で完成し、住民たちも驚いたという。


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