【4代目 津田宏】
「私はもともと、サラリーマン。水引とは無縁の生活をしていました。結婚してから家内にちょっとだけ教わって、後は作品をばらして結び方を覚えました。水引き細工はあわじ結びの繰り返しだから、手本があればだれでも作れるんじゃないかな」
「でもね、作れるということと、いいものが出来るということは全く別。作り手によって、作品の表情が違ってくるんです。頭でイメージした通りに亀を作っても、横から見ると形がぜんぜんダメだったり、結び方は同じでも、バランスが良くなかったり。平面ではなく立体だから、どこから見ても美しく仕上げるのは、本当に難しいですね」
「私はまだまだ修行中。でも結納飾りで時折、本当に満足のゆく作品が出来ることがあります。我ながら嬉しくて、結納に出すのが惜しいときもあるくらい」
「結納の仕事にもう少し余裕が出来たら、作品としての人形作りにも必ず取り組みたいですね。まずはこの家に戻ってきた左右吉さんの具足を、近いうちにそっくり再現してみたいと思っているんです。今はなかなか時間がとれないけれど、どうしてもやってみたい。梅さんの言ってた『結納は商売、人形は生き甲斐』って言葉、すごくよくわかりますね」
「実は、いつかは自分で作ってみたいと思っている新しい作品の構想があるんです。今までどこにもない、誰も作ったことのない水引人形。今はまだ、私の頭の中にあるだけですが、自分の技術が追いついたら、必ず形にしたいですね」