祝いの時を待つ結納飾りや祝儀袋がずらりと並ぶ津田水引折型石引店。華やかに結ばれた水引細工と墨痕鮮やかな筆文字が並ぶ中、小さな祝儀袋が異彩を放っています。
いちねんせい おめでとう
パステルカラーの水引をきゅっと結び、祝いの言葉をひらがなで添えた入学祝いのお祝い袋。小さな子供に語りかける声が、いまにも聞こえてきそうです。
「自分が幼い姪っ子にあげるときに御入学祝という文字を書いて、『これじゃ分からないでしょう』と思ったから、ひらがなで書いてみたんです。自分自身がこんなご祝儀袋もあったらいいな、と思ったから、みんなも使いたいかな、と思って。お店に出してみたら、やっぱり好評でした」
こう話してくれたのは、夫の宏さんとともに津田水引折型の4代目を名乗る津田さゆみさん。3代目のご両親と並んで、曽祖父・左右吉さんの生み出した水引細工の技を継承しています。
「今まで私、伝統の形があるお祝い袋でこんなことをしたらダメかと思ってたんだけど。でも、大切なのはお祝いする気持ちを伝えることでしょう。贈る相手が小さい子供なら、子供に伝わる言葉で書いてもいいと思ったの。あんまりかしこまった感じじゃなくて、でもちゃんと気持ちを伝えたいときにいいかな、と思って。文字だけじゃなくて水引も、いろいろ可愛い色があるでしょう。ピンクが好きな子とか、黄色が好きな子とか、子供の好みはいろいろだから」