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NEW暮らしっくガイド イシカワスタイルズ 【石川発、新しくて懐かしいライフスタイルの提案。】
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澤田 謙二さん

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野菜によって浮かび上がらせる人々の顔

食のスタイル
野菜の気持ちをどれくらい汲み取れるかっていう事
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澤田さん顔スナップ
【プロフィール】
シェフ 澤田謙二さん
野菜を介して関わる人達がみんな元気になるのには訳がある!「生産者」「シェフ」「お客様」それぞれの顔を野菜によって浮かび上がらせる“食”スタイルのパイオニア

※澤田さんは、2006年3月31日でレストラン「ソラマ」を辞められています。


僕らはこのつなぎ役をしているようなもの

-澤田さんの料理を食べてみて最初に感じるのが「何でこんなに野菜が際立っておいしいの!」ってことです。「こんなのは初めて食べた」とか「この野菜はなんですか?」とか話が盛り上がっていくうちに元気になってしまう、そんな食の空間をご紹介します!

「野菜のおばちゃんの存在は欠かせないですよね。ほんと今3角形。自分と生産者とお客さん。例えば市場から買った野菜とかがあった。で、お客さんに出して、『あーこれよかったよ、これどこで採れるの』って聞かれた時に、『いやぁ、ちょっと分かりません』じゃなくって、これはここのこういう人が作ってるんですって言うと、『へぇーいいねー、おもしろいね』って言ってくれる。その声を、そのままおばちゃんに言うと、じゃあまた今度作るかねって、またおばちゃんが頑張って、何か作ってくれるわけです。僕らはこのつなぎ役をしているようなもの。やっぱりダイレクトに来ますよね」


ランチ前菜_01

ランチ前菜_02
ビックリするほど沢山の種類が並ぶランチの前菜にも澤田さんのスタイルが存分に感じられる。ついつい沢山とりすぎてしまう

中野さん写真   澤田さん写真
澤田さんは関わる人達が元気になるコミュニケーションを創造します
  久徳さん写真


こんなものがうける時代ってのもおもしろいねって、よく言ってます

「市場を通すって事になると、やっぱり規格があって、その規格通りのものじゃないと、市場には出せない。例えば半分傷んでるとか、そんなもの絶対市場には出せないし、全部大きさが揃ってないと市場には出せない。でもそうじゃないものってたくさんあるわけですよね、きっと。でもそういうものは市場には出ない。じゃどうしてるのかって言ったら、農家の人たち、自分たちで食べちゃったりしてるわけですよね。今の消費者はそういうものに興味あるんじゃないかなと」

「そのほんとにいい現れが、例えばキャベツとかレタスの芯、茎の所であったり。そういうものってのはほんとに農家の人しか知らない。農家の人とか実際に野菜作ってる人しか知らないようなもの。それが、おもしろいですよね」

「後は、最近でこそちょっと定着して、スプラウトとかっていう、発芽野菜。昔の貝割れ大根みたいなもの。ブロッコリーにしてもそうだし、いま蕎麦のスプラウトってスーパーにも売ってますけど。種蒔いて放っときゃあみんな芽が出るんです。みんな貝割れみたいのになるんです。そんなもの誰でも知ってるはずなんですけど。農家の人は言うんです、『だってこんなもの、種蒔いて水やっときゃあ出来るでしょ』って。『何でこんなものが売れるのかね』って言う。だから農家の人は、こんなものがうける時代ってのもおもしろいねって、よく言ってます」

「だからうち来るお客さんが求めてるのもそのへんかなと。形のきれいなものじゃなくって、他所では食べられない食材だとか。同じ食材にしてもガラッと違った方法で、料理してやるだとか。『あれ、何かここのはちょっと違うね』っていうものであったりね。そういう方向でもうこれで4年程やってきたけれど、今になってほんとによかったなぁと思います」

宝石のように輝く野菜
まるで宝石みたいに野菜が輝く。後ろの透き通った緑はレタスの茎だ

スティックセニョール
“野菜のおばちゃん”のハウスで取れたスティックセニョール。



もう今すでに明日何しようかって考えてます、どっかで

「野菜に関して思うのは、1番その野菜がおいしいと思う食べ方。だから生が食べるものがいいと思えば生で使いますし、茹でた方がいいと思ったら茹でます。で炒めた方がいいと思ったら炒める。で、揚げた方がいいと思えば揚げるし。それをこう自分で食べて、直感で。思った通りにしてます。それだけです。それがこないだ、ある人がかっこいい言い方してくれて、野菜の気持ちって言ってましたけど、野菜の気持ちをどれだけ汲み取れるかっていう事で。素材を変えたり、味付けをちょっとずつ変えたり。あとは見た目にもおもしろさをつけるのに、色使いも変えてみたりとか。毎日考えますよ。毎日考えるというか、もう今すでに明日何しようかって考えてます、どっかで」

「僕らみたいなこんな仕事してると、自分で食べるのが好き。で、食べさせてあげるのが好き。このどっちかがもうかなり強くないと、難しいと思うんですよ。特に、今の時代は、自分が食べるのが好きは当たり前で、食べさせてあげる。お客さんにこう食べさせてあげたいとか、お客さんのニーズに応えてあげたいとか、っていうくらいの気持ちがないと、難しいかな。って改めて思うんですけどね。だから、やっぱり根本的にそういうのが好きなんですかね」
澤田さんと中野さん写真
一緒に今日の野菜を吟味する澤田さんと中野さん



アンテナ立てといて良かったなと


-お客様とのコミュニケーションではどんなことに気をつけているんですか?

「僕はいつも、アンテナって言ってるんですけど、アンテナをいつも立てとくように仕事してると、お客さんって何かしらこうヒントを出してくれるんですよ。そういう時に、あーこれ出してあげたらお客さん、きっと喜んでくれそうだなと思う小道具持って行くわけですよ。そうすると、お客さんって結構心を開いてくれる。これちょっとよかったら召し上がってみて下さいって持ってった時に『これこないだどっかで食べたんだけど、全然違うね』とか、『あぁこれ食べたいと思ってた』とか。すごいはまる事が多いんです。それが僕がいつも言ってるアンテナって事で。お客さんの『よかったわー』っていうような声を聞くと、僕はほんとにアンテナ立てといて良かったなと」
厨房での澤田さん写真
厨房で料理をつくりながらもホール全体に“アンテナ”を立てて気を配る



昔からのやり方は、変えないとこは頑なに変えないです

-伝統を受け継ぐということと、新しいことをやるということについて

「昔からのやり方は、変えないとこは頑なに変えないですよね。例えば、ブイヨンなんて固形ブイヨンで、スープで何10倍に水で伸ばしてやったら、簡単なのはできるかもしれませんけど。それは僕はやりたくないので、1週間に1回ぐらいは必ずこんなおっきい鍋でブイヨン取るんです。それは昔のまんまです。まったく昔のまんま。僕が10何年前に教えてもらったやり方のまんまやってます」

「じゃそうかと思えば、その野菜の使い方だとかは僕の師事した親方からすれば邪道って言うかもしれませんよね。恐らく。料理的には何だそれって言うかも知れませんけど、それが、こういう店にあっては、『おもしろいね』って言ってもらえる。だからそれをできるのが、フレンチとかイタリアンという肩書きのないとこでして、それが僕はやりたかったんです。だから自分で店出すとしても、フレンチとかイタリアンっていう肩書きをつける気はないですし」
ホウレンソウの茎

ホウレンソウを使ったペンネ
ホウレンソウもでっかくなると上の写真のような茎になるって知ってました?澤田さんはその軟らかい部分を使ってペンネに!



今はおもしろくてしょうがないです

「僕は食べる事が個人的に好きですから、『こういうのもいいな、でもやっぱり自分がずーっとやってきたこういう仕事もいいな、こういう仕事もいいな』っていうのを考えると、例えばフランス料理とかっていう枠はあんまり僕には必要ないかなと。それが自分の歩んできた人生らしいかなと。と思ってるんです。自分が作っておいしいと思ったものを、お客さんもおいしいと思ってくれたらそれでいいんじゃないかなって」

「例えば金沢に働いていると、実際料理食べる人はフランス人ではなくって、みんな、大半日本人ですから、ね。その人たちが、僕がおいしいと思ったものを食べて、おいしいと思ってくれるのが1番じゃないかなと。後はおいしいのはもちろんそうですけど、例えば塩ジェラートみたいに、おもしろいと思ってもらえるモノ。それが楽しいですよね。おいしいって言ってもらえたら1番嬉しいんですけど、『これおもしろいね』って言ってくれるのが僕は、今はおもしろくてしょうがないです」
塩のジェラート
塩のジェラート



記憶に残る仕事

「何年か前に、巨人の、中畑清が引退する時に言った言葉覚えてます?中畑選手が、『記録には残らないけども、記憶に残る男でありたい』みたいな事を言ったんです。僕らの仕事もあんまり記録には残らないんです。今日どこそこでこんなもん食べたっていうのはなかなかお客さんってのは残してくれませんよね。ですけど、そういうおもしろいものっていうのは、記憶に残ると思うんですよ」

「『あそこでこんなもん食べてきたよ』って。『何か変だったけどおもしろいね』とか、例えば1、2週間した時に、『あーまたあれ食べたいね』って、思い出してくれるようなもの。だからそういう仕事がしたいなと思うので、そんな風においしいねって言ってくれるのはもちろん嬉しいんですけど、それを前提で、『あぁこれおもしろいって』、思ってもらえるのが嬉しいですよね。そういう風にして喜んでもらえたら、今日はおもしろかったなと。それで自分的には、その疲れは吹っ飛んじゃいますけどね」
澤田さん写真_02



“生きたデザート”をやりたい

-将来やってみたいことはありますか?

「ここ数年やりたいなぁと思ってるのは、かっこよく言うと“生きたデザート”。そこ行かないと食べられないっていう。普通のケーキ屋さんっていうと、持って帰る事考えますよね。となると家帰る前に溶けちゃいけないとか、じゃあ、寒天とかゼラチン強めにしなきゃとかって考えるわけですよ。そうではなくて、1番トロトロの柔らかい状態だとか、熱ーいこれと、冷たいこれを一緒に食べるとおいしいだとか。そういうの僕は好きなんです。だからそんな中で、僕の基本になってるデザートがシャーベットとかジェラート関係。それが僕は今大好きで、ジェラート屋さんとかやりたいなと思ってるんです」
デザート



-澤田さんに対する感想は「なんて時間を止めない人なんだろう」ということです。料理についてももちろんそうだし、ひとつひとつの立ち振る舞いからもそれを感じます。時間を止めないということは一番良いタイミングで、その瞬間に最大限のサービスを行うということ。なんだかとても刺激を受けます。
ハーブティー



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