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松本 一良さん

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徹底的に限られた時間を遊ぶ

釣のスタイル
釣果にはこだわらへん *
松本さん顔スナップ
【プロフィール】
「道楽」 松本 一良さん
石川の伝統文化を今までに無い大胆な手法で取り入れ、こだわりの釣りスタイルを実践している大阪発のパイオニア
http://dowluck.com/


これが俺らの役目や

大阪の下町的な雰囲気を残す本庄西に総合釣り具メーカーの「道楽」の本店があります。

「こういうところにあるのがええねや」と松本さんは言います。「ほんとに好きなやつしか入ってけえへんしな。ほんとに好きやったら、探してでも見つけるやろ」「ここの商店街も俺等が復興さしたんねん」

お店の佇まい、立地、松本さんの言葉全てから一貫したメッセージ性が感じ取れます。

「ウチの店入ってくればトップウォータープラッガ-に間違いないねん。初対面のヤツでも話が合っちゃうわけや。他の店行ったら白い目で見られんねん。「ネズミのこいつがかわいいな」とかいうと『変なおっさんが何言うとんねん』となるわけや。それがここに入ってくれば安心や。仲間ばっかりやし。興味ない人は入ってけえへんし。だからこういう空間作るのも大事やし。人が集まれる空間を作る、道具を作る、次の展開を見せてく、これが俺らの役目や」
道楽店舗外観

道楽ショーウィンドウ


徹底的に限られた時間を遊ぶ

-「道楽」の釣りのスタイルとは?
「1つは釣果にこだわらないということやね。僕らのスタイルが出現するまでは釣ったものが偉いという感じやった。会話もね、何匹釣ったとかの話ばっかりなんや」

「若い頃はそれでも良いのだけれど、大人になっていろんなものを見てきてそんなんばっかり言うてられへんやん。そうじゃなくていかに1匹を楽しく釣るか。釣り方も変わってくるし、道具にもこだわってくるやん。で、経験もあるからファッションにもこだわりたいやん。だから徹底的に限られた時間を遊ぶ。段々釣りだけにこだわらん様になってくる。どんな車で行くかとか、どんな靴を履いてく、どんな服を着る、それで服に合うようなタックルが欲しなってくる。赤やったら赤い竿が欲しいとかな、なってくるやん」

「ほんで盛り上がるためには、トーナメントみたいなのもええねんけど、釣ることに一生懸命になりすぎると話が盛り上がらへんのよ。トップウォーターの釣りは見えるやん、視覚的に。そうするとボート乗ってるとすると2人とも楽しめんのよ。そうすると例えば3時間ならその中で効率よく楽しめんのよ。そのためには竿もこだわる、グリップもこだわる、ルアーも当然こだわる」

松本さん写真

「『今日はなんか金箔の日やな』とかね。『今日は仲間内で行くから龍の入ったやつにしようかなあ』とかね。そんなんがおもろいねん。釣れるとか釣れんとか2次的なもんや。当然目的は釣ることにあるわけやけど、みんなでワイワイ盛り上がれればええねん。『おまえの龍すごいなー』とかね。『俺の龍は顔がやさしいねん』とかね。職人が手書きで描いてるからそれぞれ違うわけや。ほんでお客さんがな、釣りだけを楽しむことから、テイストを楽しむことに転換してきてんねん。アウトドア全体を楽しむというテイスト。ほしたら飽きひん。大人でも楽しめる」
リール_昇龍蒔絵
加賀山中の職人による蒔絵が描かれたリール

加賀山中塗りルアー
加賀山中の職人による蒔絵が描かれたルアー

山中塗りって?


飽きたらあかんねん

「こういったこだわったものが無いのよ。世の中に。そうなったときに『ほんなら作ろう』かと。そっから俺らはスタートしたんや。確かに釣り具屋にも服あるよ。そんでもスキーウェアに毛の生えたようなヤツやろ。ちょっとこだわる人間には受け入れがたいとこもあるやろ。ほんで道具にこだわろうと思ってもみんな黒やん。真っ黒や」

「僕らは色んなもの見てきてるから、それらをぶちこみたいねん。竿も黒ばっかりや無くて赤も欲しいやん。そういう発想や。そういうことをやっていかないと飽きてまうやん、自分も。飽きたらおもんないやろ。10年も20年もやっているわけや、こういうことを。飽きたらあかんねん。飽きんためには自分がワクワクするようなスタイルを作ってそれを展開していくしかないんや。そうすると道具作るしかないのよ」

「それで大人も楽しめて、且つそれを見ている子供が憧れるようなそういうスタイルっていいとおもわへん?今は道具は一杯あるから、金さえあったらいい道具が買えるねん。俺等子供のときって道具無かったやん。金もないし。だから必死で道具探したやん。工夫して。今はもう全部あるから、釣り方にしたって、タックルにしたって」

「そんな中でなんかおかしなってんねん。やっぱり大人がカッコ良くないとアカンねん。今はこんだけモノが豊富やから大人と子供の差がつけられへん。子供も簡単に一流の道具が買えておんなじになってしまうねん。わしらの世界はちゃうねん。漆なんて子供には分かれへん。銘木がどうとか。その辺でおれらは大人の世界を確立してんねん」
道楽店舗内観
店内は一見、服のショップかと思うつくり

ショーケース
タックル、デニム、ライターなどが一緒に飾られるショーケース

オールドタックル棚
伝統を大事にする“道楽”では興味深いオールドタックルも見られます


伝統というのは説得力や

「まあ、石川とのつながりは偶然や。漆というのは最初からやってた。“道楽”を始めたときから。“道楽”というのは“和”で勝負してきたわけや。アメリカからきたジーンズ、アメリカら来たバスフィッシングに“和”を取り入れてきた。その辺が俺らのブランドカラーやねん。俺等は漆とラッカーでやっていこうと。自分達で漆を研究してた」

「1年か2年経ったときにふと思ったわけや。「本職ってどんなんかな?」って。ちょうどそん時に2&4っていうショップを通じて、紹介をお願いした。そしたらやっぱりプロはちゃうねん。俺はビックリした。伝統の重みというか。なんか惹かれんねん。具体的に言うと色とか柄じゃない、なんかこう惹かれる天然素材の良さがあんねん。それは科学素材では絶対出えへん」

「僕らが期待するのは職人さん達の素の感覚やねん。彼らはまだ年齢は若いけどその道で20年以上やってる。そやから提案してもらえるアイデア、商品というのはほんまに新鮮。洗練されてる。オリジナリティがすごいある。その伝統のもつ説得力というのはほんま凄い」

「俺ら(道楽)というのはまだ8年しかないねんけど、痛いほど分かるのは幾ら努力しても伝統はつくられへんということや。伝統というのは説得力や。俺等が一番欲しいのはブランドの説得力やねん。まだまだ俺等は比較されるやん。エルメスの商品って言ったら欲しいか嫌いかだけでしょ?品質についてなんもおもわへんでしょ?シャネルのバッグにしても誰も比較しない。それがブランドやねん。そういう存在になりたいわけ。加賀山中には何百年という説得力がある。それは否定できない。現実にそんだけの間残ってる。外国でもジャパニーズといえば漆のことやけど、専門の美術館があるくらいで、ほっといても人をひきつける力があるわけや。おもしろい。彼らにバスや龍を描かせるとなぜか和風に見える。それがおもしろい。龍なんて普通、どうかいても中国風になってまう。何か味わい深いものになる。彼らはきっと意識して無いと思う。伝統の技法にのっとって描いとるだけや。だけど説得力がある。強い。新鮮や」
松本さん 写真_01

松本さん 写真_02

松本さんの石川つながり―大阪「道楽」代表取締役―加賀山中塗り職人とのつながり


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